マジソン・スクウェア・ガーデンで・・・!?
1992年10月11日は、日曜日だった。
当日僕はニューヨークにいて、午後からはダコタで小野洋子さんと、《ジョン・レノン・ミュージアム建設》について、打ち合わせをしていた。
打ち合わせが終わった時に洋子さんから、「あんた達、今夜何か予定があるの?」と訊かれ、洋子さんの弟さんのKさんが、「特にないけど・・・!!」と答えると、「エルトン・ジョンとエリザベス・テーラーが、今夜エイズ・エイドをやるらしいんだけど、行く?」と言われ、ビックリしながらも・・「良いんですか!?」と僕。
「ショーンの分もあるから、あんた達二人で行ったら!?」とのことで、喜んでその招待券を戴いた。
そして、かの有名な「マジソン・スクウェア・ガーデン」である。

今では日本でも同様規模のイベント・ホールは沢山あるけれど、何と云っても、ニューヨークの「マジソン・スクウェア・ガーデン」である。
日本人は、数える程しかいない。
トイレに入ると、背の高さと、腰の高さを歴然と感じて、正に『お上りさん』そのものだった。
舞台右側2階の席に座り、やがてショウが始まり、主催者のエリザベス・テーラーに、協賛したエルトン・ジョン始め、有名なスターや歌手が、キラ星の如く舞台に並んだ。
歌が始まり、コントがあり、言葉は全く解らない乍らも、予期せぬ出来事だっただけに、僕はすっかり、夢見心地で楽しんでいた。

ショウも佳境に入り、段々盛り上がって、舞台に全員が揃って、司会の二人が何かを言い出した。
するとKさんが、「やばい・・中村さん・・・やばいよ!!」と云う。
僕は何のことだかサッパリ解らないまま聴いていると、館内全体の照明が段々落ちて来て、観客の持つ光を放つ棒がキラキラと輝いている。
そして次の言葉は、英語の良く解らない僕でも、ハッキリと解った!!
「Ladies and Gentleman ・・・YOKO ONO and SEAN LENNON!! 」と同時に、館内の全てのスポット・ライトが、一斉に僕等二人の席を照らした!!
ワァ~と云う大歓声の中で、肝心な二人が見付けられないスポット・ライトが、必死になって僕等の周りを右往左往している。
あんなに大勢の人から一度に観られ、しかも沢山のスポット・ライトの中、僕は只々ビックリした顔をして、キョロキョロするのが、精一杯だった。
あんなに慌てたことは生まれて始めてで、暫くの間、心臓の鼓動が咽から出そうな位だった。

後日このことをショーンに話したら、大笑いされた。
しかしショーンもあの頃は可愛かったのに、今では随分太ってしまった。

彼は、父であるジョン・レノンと同じ月日生まれで、「SEAN TORO ONO LENNON」と云う本名で、今年10月9日で満32歳になる。