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大塚国際美術館を楽しむ

大塚国際美術館は、1998年3月に開館した。

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建設の数年前から、当時の会長の大塚芳満さんから聞いていたが、入場料を5,000円にすると仰る。

当時の日本の美術館の入場料金の平均が、1,200円なのに、まして徳島県鳴門市の外れの立地で、
しかも陶板の複製で、絵の中に線が入っているのだから、どんなに高くても、800円がいい處だと思い、進言した。

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完成して幾らの入場料にしたか訪ねたら、3,000円にしたとのこと。

「貴君の意見も、少しは入れたから・・。」と茶目っ気たっぷりの顔をされた。

その金額では、入場者は少ないだろうと思い、行ってみた。

確かに、空いている・・・だから実に見易い。

しかし目が慣れてくると、陶板であることもだが、絵の中の線については、全く気にならなくなる。

そうして見てみると、全ての絵について、額も全く原型と同じものにしたことの効果もあり、見学者が少なく、自分が気に入った絵画とたった一人で対峙出来るので、観ていて全く、飽きがこない・・いやそれどころか、今この絵は、自分だけのものだとの錯覚さえ生まれる。

こうして結局、毎年の様に通ってしまっている。

何故なら、これだけの名画の本物を観ようとしたら、飛行機代や宿泊代を計算すると、とんでもないお金と時間が掛かるからで、僕は今では、入場料についてはむしろ安い位だと宣伝する様になったのだから、経営者の先見の明が、いかに違うかと云うことも、改めて思い知らされてしまった。

と云うことで、折角これだけの絵画が一同に会しているのだから、大塚国際美術館でなければ楽しめないことを、お教えしよう。

ここに4枚の「受胎告知」の絵があります。

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この絵に、共通していることがあります。

それは、天使が全て「人差し指と中指を立てた状態で、マリア様に対峙している。」と云うことです。

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この指の形が、「祝福」を意味するのです。

今度はこの5枚に、「聖母子像」の2枚加えて、この6枚に共通することがありますが、解りますか?

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6枚の絵に共通していることですが、昔からマリア様の姿は、必ず「濃紺と赤」の着衣であるが守られて、描かれていることです。
濃紺は信仰を表し、赤は愛を表します。
因みに緑が使われている時には、謙譲を表しています。


次にこの《祝福の指の形》を利用して、真意とは全く違う表現をさせている絵画があります。

それがこの、ナポレオンの戴冠式の絵です。

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この絵の中の、ローマ法王の代理で来た枢機卿の指を観て下さい。

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実際には祝福の意志がないのですが、指の形をその様にすることで、枢機卿の意図を代えたのです。

この絵画を描くことをナポレオンから命じられた「作者:ダビッド」の、正に苦肉の策だったのです。

さあこんなことを頭に入れて、是非一度、徳島県鳴門市に、足を運んでみて下さい。

期待以上のものがあることは、保証します。

但し、館内一周で4kmありますから、歩きやすい靴で・・・!!

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コメント

「大塚国際美術館」のブログ読みました。
絵の中の秘密やテーマを発見して、そのテーマによって有名な作家たちを並べて、描き方の特徴や意味を捉えることができるのは面白いですね。
しかし、中村さんがこの美術館に、そういう見方を発見されるセンスを見習わなければと思います。

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